歴史・伝承

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馬頭観音寺歴史

当寺紹介動画

  • 宗派:浄土宗西山深草派
  • 山号:久宮山
  • ご本尊:馬頭観世音菩薩
    脇内陣には、阿弥陀如来座像・一光三尊善光寺如来(長野善光寺からの分身)
  • 創建:寛治四年(1090年/平安時代)
  • 開山:縁禄二年(1559年/室町時代)黁誉上人 (了空源照)

教え:手を合わせ、念仏して、明るい日暮らしとともに永遠の生命に生きることを喜ぶ

略縁起

乱世にあった寛治四年(1090年)経が峰(現・美合町京が峰馬頭神明宮付近)に春日大明神の化身が現れ、この世の乱れを救うため馬頭観世音菩薩の霊像を残し、経文と共に光を放ち西方(極楽浄土)に飛び去って行きました。

これによって、その場所に馬頭観世音菩薩の霊像を安置する堂宇を建造し、そのお寺を観音寺と称しました。

村人は
「馬頭観世音菩薩(観音さま)が村を守ってくださる」
と生きる希望が持てるようになり、この地方を観音さまへの親しみをこめて、馬頭と呼ぶようになりました。

469年後の永禄二年(1559年)に現在の地(美合町中新田)に移転しました。
大正時代の記録によると、慶応元年(1865年)頃から毎年「初午会」には、各地方より多くの信者が馬を曳き参拝しました。
境内に於いて競馬が行われ、芝居小屋や見せ物小屋などもあり、多くの老若男女の娯楽をも担っていました。
広大な境内地を持つ【現世利益を願う】祈願寺院だったことが窺えます。

ご本尊:馬頭観音菩薩について

本堂前机

頭上に馬を戴き髪は逆立ち牙をむいて激しい怒りの表情をみせ、優しい顔でさとしても聞き入れない人々を叱りつけて、教えを導こうという観音さまです。
また馬が絶えず草を食べるように、一切の煩悩を食い尽くすかのごとく衆生を救済されます。さらに六道輪廻(下記参照)の畜生界を担当しておられます。
民間信仰では馬の守護仏としても祀られ、馬のみならずあらゆる畜生類を救う観音さまともされておりまた五穀豊穣や道中安全、今で言う交通安全を願う観音さまとしても信仰されております。

三十三観音石仏

観音石仏

今ある石仏は、江戸時代の建造です。
その当時はノミで手彫りの技法しかなく製作しやすい軟らかい石材を 使用している為にもろく風化しやすいものでした。
本堂・石仏は幾度もの火災や台風・地震で破損することもあり現在みられる補修の跡は昭和34年の伊勢湾台風で本堂が倒壊した際と、昭和49年に仮本堂が全焼した時のものです。
御堂は平成14年に土台を残して建替えております。

三十三観音信仰

観音さまは
慈愛に満ち溢れた寛大な心を持ち悩み苦しんでいる者が祈りを捧げれば、様々な姿に身を変えて救いの手を差し伸べてくださる。
ということで、観音菩薩が三十三に姿を変えて人々を救おうという説に基づき、一ヶ所で数多くの観音菩薩を拝み、多くの人々に功徳を得させようという目的で造られたものです。
※三十三とは無数、無辺を意味する数で我々が心から念ずれば心身自在にどんな姿にでもなって救ってくださることを意味しています。

本堂紹介

馬頭観音寺配置図

ご本尊:馬頭観音菩薩

ご本尊

馬頭観世音菩薩とも言われています。観音菩薩の六化身の1つです。

頭上に馬を戴き、髪は逆立ち、牙をむいて、激しい怒りの表情をみせ、優しい顔で、さとしても聞き入れない人々を、叱りつけて、教えを導こうという観音さまです。
また馬が絶えず草を食べるように一切の煩悩を、食い尽くすかのごとく、衆生を救済されます。
さらに六道輪廻の畜生界を担当しておられます。民間信仰では、馬の守護仏としても祀られ、馬のみならず、あらゆる畜生類を救う、観音さまともされており、また五穀豊穣や道中安全今で言う、交通安全を願う観音さまとしても信仰されております。

実は写真のものは”前佛”と言われていて、ご本尊はその奥に秘仏として安置されています。
御開帳は12年に一度、午年の年にしています。

馬頭観音菩薩の石仏

馬頭観音菩薩石造

御開帳記念で建てたものです。
お開帳は12年に一度です。

右隣:阿弥陀如来坐像及び立像

阿弥陀如来の座像です

阿弥陀如来坐像

阿弥陀如来の立像です

阿弥陀如来立像

座像の方が大きいです。
座像の指の形は、九品印という印を結んでいますが、この像は下品下生のように見えます。
阿弥陀如来の座像と立像の違いは、
座像は、悟られている姿を
立像は、衆生を救いに来ている姿を
表していると言われています。

得が高いのは座像ですが、臨終の際に枕元に置くには立像の方が良いとされています。

左隣:一光三尊善光寺如来(長野善光寺からの分身)

一光三尊善光寺如来

長野県善光寺から分身の一光三尊善行寺如来です。

一つの光背の中で、中央に阿弥陀如来、向かって右側に観音菩薩、左側に勢至菩薩がおられます。
なぜ自坊にあるかは不明です。

乳牛と戦没死者ののご位牌

乳牛の位牌

畜生界の馬頭観音様がご本尊なので、昔は近くの牧場や養鶏場の信徒さんがいらっしゃいました。
その当時のものが残されています。

戦没死者

戦争で村の人も大勢亡くなっているので、その為のご位牌があります。

法然上人の一枚起請文掛け軸

掛け軸

本堂の壁に掛けてあります。
三具足も一緒に置いてありますね。

前机

本堂前机

香炉、花立、燭台、お供物、御霊供膳などを置きます。
ちなみにお供物を乗せる台を三方と呼びます。

導師、維那(イナ、イノウ)席

導師席

主に導師の席です。ご本尊の正面にあたり、一般的にお寺の住職が着座します。

維那席

維那席です。鳴り物(おりん、木魚、伏せがね等)を行う役僧の席です。

外陣紹介

村のご位牌と抱き地蔵菩薩

村戒名の表

村の最近亡くなられた方々の戒名、俗名の一覧と、香炉などが置いてあります。
すぐ側には抱き地蔵菩薩も置いてあります。

抱き地蔵菩薩

抱き上げる前に、心の中で願い事を唱え抱き上げます。
願い事が叶う場合は軽く抱き上げることが出来ます。
重く感じると叶わないと言われていますが、後になってから最も良い道へ導いて下さいます。

焼香席

焼香台

ご本尊正面にございます。こちらからご焼香下さい。

お知らせ

毎朝七時より日課勤行式を行っています。
ぜひご参列ください。

本堂全景