お金と生きることについて住職が考えてみた

「お金があれば幸せになれるのか?」
住職をしている私が、こんなことを考えるのも少し変な話かもしれません。

少し前にSNSで同じような事を言って、コメント欄で炎上していた若住職がいらっしゃいました。
お寺という場所は、お金とは少し距離があるように思われることがあります。
「住職さんは、お金に執着しないんでしょうね」
そんなイメージを持っている人もいるかもしれません。

でも、正直に言います。
私は、お金が欲しいです。
できれば、たくさん欲しいです。
100万円でも200万円でも、もらえるならありがたくいただきたい。

「住職なのに煩悩まみれじゃないか!」
そう思われるかもしれません。

はい。
人間ですから。

煩悩、あります。
たくさんあります。
多分皆さんよりも多くあります。

除夜の鐘を108回鳴らしても、たぶん私の煩悩は全部なくなりません。
むしろ108回では足りないかもしれません。

でも、そんな私でも、お金について一つ思うことがあります。
お金は、生きるために必要です。
これは間違いありません。

お金との付き合い方を考えてみた


ご飯を食べるにもお金がいる。
家に住むにもお金がいる。
電気を使うにも、水を使うにもお金がいる。
バイクに乗るにもお金がいる。

そして、お寺を守るにもお金がいる。

「お金なんていらない」と言えるほど、私は達観していません。
お金は必要です。

でも私は、
お金を人生の一番上に置くのは、少し違うんじゃないかな
と思っています。

お金は大切です。
でも、お金が人生の目的になってしまうと、少し寂しい。

100万円を持っている人が、200万円欲しくなる。
200万円を持っている人が、500万円欲しくなる。
500万円を持っている人が、1,000万円欲しくなる。

そして1,000万円を持っている人が、
「あともう少し・・・」
と言い始める。

人間の欲望というものは、なかなか元気です。
お金を食べても、お腹いっぱいにはなりません。

財布を枕にして寝ても、良い夢が見られるとは限りません。
札束を抱きしめて、
「あなたがいてくれてよかった~~」
と涙を流すより、
「一緒にご飯を食べよう」
と誰かと笑えるほうが、私は幸せだと思います。

もちろん、お金があればできることは増えます。
大切な人を守ることもできる。
困っている人を助けることもできる。

自分が大切にしているものを守ることもできる。

だから私は、お金を否定したくありません。
むしろ、お金には「ありがとう」と言いたい。
私たちの生活を支えてくれているからです。

お金との付き合い方


ただし、お金には一つお願いがあります。
主役にならないでください。

あなたは、とても優秀な脇役です。
主役を助ける力を持っています。

でも、主役になってしまうと、人生の景色が少し変わってしまう気がします。

私は、お金をたくさん貯めることよりも、
「何のために使うのか」
のほうが大切だと思っています。

大切な人とご飯を食べる。
好きな音楽を聴く。
大切な人との時間を作る。
誰かの役に立つ。

お寺を守る。
自分の好きなことを続ける。

そうやって、お金が誰かの笑顔に変わったとき、お金には初めて意味が生まれるのではないでしょうか。

お金は、持っているだけでは何も起こりません。
財布の中でじっとしています。

銀行口座の数字が増えても、それだけでは笑いません。
でも、そのお金で誰かにご飯をごちそうしたら、相手が笑うかもしれない。

音楽を聴きに行ったら、自分の心が動くかもしれない。
困っている人を助けたら、その人の明日が少し変わるかもしれない。
そう考えると、お金は不思議なものです。

ただの紙や数字なのに、使い方によっては、人の笑顔や安心に変わる。
だから私は、お金を「貯めること」だけではなく、「どう使うか」を大切にしたいと思っています。

もちろん、何でもかんでも使えばいいわけではありません。
私も、将来のために貯金はします。
老後も心配です。
病気も怖いです。
お寺が壊れたら困ります。
バイクも壊れたら困ります。

結局、心配事だらけです。
今にだけ生きる、そんなこと出来ません。

でも、人生の最後に銀行口座の残高を見て、
「こんなに貯めたぞ!」
と喜んでも、そのお金を持ってあの世には行けません。

たぶん、三途の川の渡し守さんに、
「キャッシュレス決済できますか?」
と聞いても、
「現世の通貨は使えません」
と言われるでしょう。

だったら、生きている間に使えるお金は、ちゃんと使いたい。
誰かを笑顔にするために。
大切なものを守るために。
自分の人生を豊かにするために。

私は、たくさんのお金を持つことよりも、
お金があってよかったな
と思える使い方をしたいと思っています。

お金の役割を考えてみた


お金は大切です。
でも、人生の主役ではありません。

人生の主役は、たぶん「人」です。
誰と出会うか。
誰と笑うか。
誰を大切にするか。
そして、自分が誰かの役に立てるか。

お金は、その人と人との間を、少しだけ助けてくれる存在なのかもしれません。
だから私は、今日もお金を欲しがります。
でも、お金のためだけには生きたくありません。

お金を稼いで、大切なものを守りたい。
お金を使って、誰かを笑顔にしたい。

そして、いつか人生を振り返ったときに、
「まあ、そんなにお金は残ってないけど、結構いい使い方をしたな」
と笑えたら。

それくらいが、私にはちょうどいいのかもしれません。

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